果樹栽培と一口に言っても、作物が変われば作業内容も生活リズムもまったく違います。
私は現在、ブドウとリンゴの両方を栽培していますが、実際にやってみると「教科書では見えない違い」が数多くありました。
この記事では、ブドウとリンゴを同時にやってみたからこそ分かる違いを、
・作業性
・農協出荷
・贈答出荷
の3点から、完全に現場目線で比較します。
① 作業性の違い|密度のブドウ、分散のリンゴ
ブドウ:とにかく作業が密集、1房に何度も触る
ブドウは5月〜7月に作業が極端に集中します。
- 芽かき
- 誘引
- 房こき
- 摘粒(2回)
- ジベレリン処理(2回)
- 袋・傘掛け
などなど、1房に対して、何度も何度も手を入れる作物です。
しかも各作業の時期が少しズレるだけで品質に直結します。
「忙しい」というより、
👉 常に時間に追われている感覚
が強いのがブドウです。
リンゴ:繁忙期は分散、多少のズレは許される
リンゴは繁忙期が
- 5月
- 10〜11月
と分かれており、作業も比較的シンプル。
- 花摘み
- 摘果(2回)
- 葉摘み(2回)
- 玉回し
- 収穫
1果あたりの園内を回る回数が少ないのが特徴です。
多少作業が前後しても、後でリカバリーしやすいのもリンゴの強み。
② 農協出荷の違い|繊細なブドウ、重量級のリンゴ
ブドウの農協出荷:時間も神経も使う
- 収穫は9月頃
- 朝の収穫必須(早いと3〜4時起き)
- 常温で日持ちしない
収穫後は、
- 病気・サビ・割れチェック
- 重量測定・選別
- 房ごとに袋詰め+タグ
- 規格に合わせて箱詰め(5kg箱)
👉 荷造りがとにかく大変。
その分、単価が高いのは納得です。
また、
- 房出荷
- 小房・パック
- 粒出荷
と受け皿が多く、廃棄が少ないのは大きなメリット。
等級は技術員の目で決まるため、人間関係づくりも重要だと感じます。
リンゴの農協出荷:体力勝負、でも気持ちは楽
- 収穫は11月頃
- 早朝収穫NG(霜)
- その日に出荷する必要なし
収穫 → 選果 → 出荷を分けて進められるので、精神的に余裕があります。
ただし…
- コンテナが重い
- リンゴ自体が重い
- 軽トラ積載量に限界
👉 とにかく腰と腕にくる。
新聞紙を段ごとに敷く文化については、
正直「今どき各家庭に新聞ある前提なのか…?」と疑問です。
③ 贈答出荷の違い|どちらも別の大変さ
ブドウの贈答
- 房サイズのバラつきをある程度許容
- 緩衝材に神経を使う
- クール便推奨
👉 原価と送料がほぼ同じになることもあり、複雑な気持ち。
リンゴの贈答
- 専用緩衝材あり
- 荷造り自体は楽
しかし、
👉 大きさを揃える作業がとにかく面倒。
数が多いと、ここで一気に時間を持っていかれます。
結論|性格で向き不向きが分かれる
| 項目 | ブドウ | リンゴ |
|---|---|---|
| 作業の密度 | 非常に高い | 比較的低い |
| 時間の拘束 | 強い | 弱い |
| 体力負担 | 中 | 大 |
| 精神的負担 | 大 | 中 |
| 単価 | 高い | 低め |
ブドウ向きな人
- 細かい作業が苦にならない
- 品質を突き詰めたい
- 短期集中型
リンゴ向きな人
- 体力に自信がある
- 長期的にコツコツ
- 生活リズムを崩したくない


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