果樹栽培というと、
「育てるのが大変」というイメージが強いかもしれません。
しかし実際にやってみると、
**本当に差が出るのは「出荷作業」**です。
私はリンゴとブドウの両方を栽培していますが、
同じ果樹でも出荷作業の性格はまったく別物でした。
この記事では、
ブドウとリンゴの出荷作業の違いを、
現場目線で具体的に比較します。
作目選びで後悔したくない人にとって、
判断材料になるはずです。
結論:果樹の出荷作業は「作物別に別競技」
最初に結論です。
- ブドウ:繊細・時間拘束が強い・人力依存
- リンゴ:重労働・物量勝負・機械補助あり
同じ「果樹農家」でも、
生活リズムも疲れ方もまったく違います。
ブドウの出荷作業|時間と神経を削られる
収穫は早朝必須、しかも急かされる
ブドウは常温で日持ちしません。
そのため、
- 朝の涼しい時間帯に収穫
- 過熟・実割れのリスク管理
- 後ろにリンゴ作業が控えるため短期集中
結果として、
早朝3〜4時起きが連日続くこともあります。
荷造り工程がとにかく多い
ブドウの出荷は「収穫して終わり」ではありません。
- 病気・サビ・割れのチェック
- 重量計測と選別
- 一房ずつ袋詰め
- タグ付け
- 重量規格ごとに箱詰め
さらに、
- 箱作り
- 緩衝材の準備
- 資材管理
作業工程も資材費も多いのが特徴です。
ブドウ出荷は「道具で消耗度が決まる」
ブドウの出荷作業は、
指・手首・腰をピンポイントで削ってきます。
特に差が出るのが次の道具です。
- 正確に測れるデジタルはかり
- 房を傷めにくい専用ハサミ
ここを妥協すると、
作業スピード低下
→ 深夜作業
→ 翌日の作業精度低下
という負のループに入ります。
リンゴの出荷作業|重さとの戦い
収穫は日中、ペース配分が可能
リンゴは、
- 早朝収穫は不要
- 収穫と出荷を分けられる
- 順次収穫が可能
時間的な自由度は高めです。
「今日は収穫だけ」
「明日は出荷」
と分けられるのは大きなメリットです。
荷造りは単純、だが重い
リンゴの農協出荷は比較的シンプルです。
- 熟度・キズを見て選別
- コンテナに詰める
- 新聞紙を段ごとに敷く
ただし問題は、
- とにかく重い
- コンテナの移動が大変
- 軽トラ積載量に制限
体力消耗はブドウより激しいと感じます。
リンゴ出荷は「運ぶ道具」が命
リンゴ作業で効くのは、
運搬系の道具です。
- 軽量で丈夫な収穫カゴ
- 腰への負担を減らす台車
- 積み下ろししやすい作業台
特にコンテナ作業は、
年齢とともに効いてきます。
「若いから大丈夫」は、
数年で裏切られます。
贈答出荷の違いも大きい
ブドウの贈答出荷
- 房サイズのバラつきを許容
- 緩衝材に神経を使う
- クール便推奨で送料が高い
原価と送料が同じくらいになり、
気持ち的に複雑です。
リンゴの贈答出荷
- 専用緩衝材あり
- 荷造り自体は楽
- ただし大きさを揃えるのが大変
見た目重視の分、
選果の手間が増えます。
まとめ|単価ではなく「出荷の性格」で選ぶ
ブドウとリンゴを比べて思うのは、
- ブドウ:
高単価だが、
神経と時間を削る出荷 - リンゴ:
単価は控えめだが、
体力勝負の出荷
どちらが楽かではなく、
どちらの大変さが自分に合うかです。
果樹を選ぶときは、
「栽培」だけでなく
「出荷の現実」まで含めて考える。
それが、
後悔しない作目選びだと思います。
価格:9000円~ |


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