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ブドウ栽培の水分管理を徹底的に調べてみた

ブドウ栽培をしていると、必ずぶつかるテーマが「水分管理」です。

・糖度が上がらない
・着色が悪い
・裂果する
・樹勢が暴れる

こうした問題の多くは、実は水分管理と強く関係していると言われています。

ただし実際のところ、

「どれくらいの水分が適正なのか」
「いつ水をやるべきなのか」

このあたりは経験論で語られることも多く、体系的に理解するのが難しい分野でもあります。

そこで今回、
自分の栽培のために土壌水分とかん水について徹底的に調べて整理してみました。

同じようにブドウ栽培をしている人の参考になればと思い、まとめておきます。


ブドウ栽培における水分管理の基本

まず前提として、ブドウは果樹の中では比較的乾燥に強い作物と言われています。

しかしそれは「水が不要」という意味ではありません。

むしろ実際の栽培では、

水分量のわずかな違いが

・果粒サイズ
・糖度
・着色
・裂果
・樹勢

などに大きく影響します。

特に日本の栽培では、乾燥よりもむしろ

過湿の方が問題になるケースが多い

と言われています。


土壌水分を理解するための3つの概念

土壌水分を理解するためには、まず基本となる3つの状態を知っておく必要があります。

状態説明
飽和状態土壌の隙間が水で満たされた状態
圃場容水量重力水が抜けた後の安定した水分
永久しおれ点植物が吸水できなくなる水分

植物が利用できる水は、

圃場容水量 〜 しおれ点

の間の水です。

この範囲を

有効水分

と呼びます。


pF値で見る土壌水分の目安

果樹栽培では土壌水分を

pF値

で表すことがあります。

pF値状態
1.0飽和
1.5過湿
2.0湿潤
2.3〜2.7適正
3.0乾燥
3.5以上強乾燥

ブドウ栽培で理想とされるのは

pF2.3〜2.7

と言われています。

この状態は、

「握ると固まり、軽く押すと崩れる」

程度の土です。


土壌含水率の目安

含水率は土壌によって変わります。

土壌タイプ含水率
砂質土10〜20%
壌土20〜30%
粘土質30〜40%

ブドウ栽培では

砂壌土〜壌土

が理想的と言われています。

理由は

・排水性が良い
・根が深く伸びる
・酸素供給が良い

からです。


ブドウの根はどこまで伸びるのか

意外と知られていませんが、ブドウの根はかなり深く伸びます。

おおよその分布は以下。

深さ根の割合
0〜30cm約40%
30〜60cm約40%
60cm以上約20%

つまり、

表面だけ濡らしても意味がない

ということになります。

水分管理は

最低でも40〜60cmの深さ

を意識する必要があります。


生育ステージ別の水分管理

ブドウは生育ステージによって水分要求が変わります。

これが水分管理を難しくしている原因でもあります。


萌芽〜開花

この時期は

新梢伸長期

です。

水が不足すると

・新梢伸びない
・花穂が小さくなる

などの影響があります。

目安
pF2.2〜2.5


開花〜結実

この時期は

結実率に影響

します。

乾燥していると

・花振るい
・結実不良

が起こることがあります。


果粒肥大期

水分要求が最大の時期です。

ここで乾燥すると

・果粒が小さい
・房重が減る

と言われています。


ベレゾン〜成熟期

品質を決める最重要時期です。

この時期は

軽い水分ストレス

が有効とされています。

理由は

・糖度上昇
・着色促進
・徒長抑制

です。


水分ストレスと糖度の関係

研究では

軽い乾燥ストレス

を与えると糖度が上がることが知られています。

理由は

・樹体成長が抑えられる
・光合成産物が果実に集中

するためです。

シャインマスカットでは

糖度2〜3度上昇

という研究例もあります。

ただしやりすぎると

・葉の光合成低下
・果粒肥大停止

になるので注意が必要です。


かん水量の考え方

夏のブドウは

蒸散量4〜6mm/日

と言われています。

1mmの雨は

1㎡あたり1L

です。

つまり

1㎡あたり4〜6L

必要になります。

10aなら

4000〜6000L/日

です。

もちろん露地では降雨があるので、

この量をすべてかん水するわけではありません。


かん水タイミングの判断方法

実際の農家は、以下の方法で判断していることが多いです。


手握り法

深さ20cmの土を握る

状態判断
崩れる乾燥
固まる適正
水が出る過湿

最も簡単な方法です。


テンシオメーター

土壌水分張力を測定します。

吸引圧状態
10kPa湿潤
20〜30kPa適正
40kPa以上乾燥

土壌水分センサー

最近増えている方法です。

・Watermark
・Decagon
・HOBO

スマホで管理できるものもあります。


日本のブドウ栽培で一番重要なこと

いろいろ調べて感じたのは、

水をやる技術より、水を抜く技術が重要

ということです。

日本は雨が多いため、

過湿が問題になりやすいです。


排水対策

代表的な方法

明渠排水

畑周囲に溝
深さ40〜60cm

暗渠排水

パイプ排水
間隔5〜10m

高畝

30〜40cm


理想的なかん水方法

最も効率が良いのは

点滴かん水

です。

メリット

・水の無駄が少ない
・水分安定
・液肥混入可能

1株あたり

4〜8L/日

が目安と言われています。


今回調べて感じたこと

いろいろ調べてみて感じたのは、

ブドウ栽培では

水分管理=樹勢管理

だということです。

水分が多いと

・徒長
・着色不良
・糖度低下

水分が少ないと

・果粒肥大不足
・樹勢低下

になります。

つまり

水分をどうコントロールするかが栽培の核心

なのかもしれません。


今後試してみたいこと

今回調べていて、個人的に試してみたいと思ったのが

・テンシオメーター設置
・土壌水分センサー
・点滴かん水

です。

水分を「感覚」ではなく

数値で管理

できるようになると、栽培の再現性が上がりそうだと感じました。


まとめ

今回調べた内容を整理すると、

ブドウの水分管理のポイントは

1
適正水分
pF2.3〜2.7

2
果粒肥大期
水分多め

3
着色期
軽い乾燥

4
日本では
過湿対策が最重要

5
排水改善

かん水

という感じになりそうです。

まだまだ勉強中ですが、
これからの栽培で実際に試してみて、また結果をまとめてみたいと思います。


農家向けおすすめ資材(実際に調べて気になったもの)

※水分管理を数値化するための資材

土壌水分計

・テンシオメーター
・Watermarkセンサー

→ 水分管理の精度が大きく上がる


点滴かん水チューブ

→ 水分を安定供給できる
→ 液肥施用も可能

土壌pH・EC測定器

→ 水分と肥料管理を同時に把握


※これらは栽培データを取るための投資としてかなり価値がありそうです。

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